プロボクシングWBO世界スーパーウエルター級暫定王者ティム・チュー(28=オーストラリア)が犬に右腕をかまれ、緊急手術を受けたと30日(日本時間31日)、オーストラリア、米英の複数メディアが一斉に報じた。

チューは6月18日、母国オーストラリアのゴールドコーストで同級11位カルロス・オカンポ(27=メキシコ)との防衛戦を控えていたが、28日にバーベキューをしていた際、犬に右前腕をかまれて裂傷したため病院に搬送。病院では担当医と外科医の治療を受けた後、手術が決まったという。

チューの長年のマネジャーとなるグレン・ジェニン氏は「傷は表面的なもの。術後の経過はすべて良好だ。ティムが100%健康で6月18日のカルロス・オカンポとの対戦に向けて準備できていることは疑いの余地はない」とコメント。興行主となるノーリミット・ボクシングのジョージ・ローズCEOも「みなさんと同じようにこのニュースに私も最初はショックで心配した。世界戦から3週間前に選手が入院するのは決して理想的な準備ではないが、現時点での1番のニュースはティムが大丈夫だということだ」と声明を出した。

現在、同級は4団体統一王者ジャーメル・チャーロ(33=米国)が君臨。オカンポ戦をクリアすれば、チューはチャーロに挑戦する流れとなっているだけに、負傷の回復が心配なところだ。

94年11月にオーストラリアのシドニーで生まれたチューは父が元3団体統一ライト級王者コンスタンチン・チュー、弟ニキータもプロボクサーのボクシング一家。21年11月に井上岳志に3-0の判定勝利を挙げ、23年にWBO世界スーパーウエルター級暫定王座決定戦を制して親子2代の世界王者となっていた。