ボクシング元IBF世界スーパーフライ級王者で現WBA世界バンタム級9位のジェルウィン・アンカハス(32=フィリピン)が「井上兄弟狩り」の野望を掲げた。24日に東京・両国国技館で開催されるトリプル世界戦のメインで、同級王者の井上拓真(28=大橋)に挑戦する。20日、都内のジムで練習を公開。井上撃破に集中しつつ、1階級上で4団体統一スーパーバンタム級王者の兄尚弥(30=大橋)との将来的な対戦を希望した。

スーパーフライ級時代にIBF王者として9度の防衛に成功したアンカハスが、笑顔を交えながら野望を口にした。WBA世界同級王者井岡一翔(志成)の対抗王者として知られていた強豪は「まず、この試合に勝たなければならないことが大前提。もし勝てば陣営が私の将来を考えてくれるだろうが、チャンスがあるならば(井上の)兄尚弥とも対戦したいと思っている」と切り出した。

尚弥がWBO世界スーパーフライ級王者だった17年に2度、統一戦交渉があったものの、いずれも破談。18日の来日時には「(尚弥と)対戦しておけばよかった? そうだね」とも話していた。今回がバンタム級2戦目ながら、「今の階級でしっかりとやりたいと思うが、(階級を)上げていってもいいかな」と1階級上への転向も視野に入れる。

もちろん、目の前に立ちはだかる弟の王者拓真の実力も認める。「賢い選手だと思う。距離も取れる、ボクシングもできる、打ち合うこともできる。多彩な技術がある」と評しつつ「経験もそうだが、私が適応力で上回っていると思う」。元V9王者の意地と、風格を漂わせた。【藤中栄二】

○…井上陣営がアンカハスを警戒した。所属ジムの大橋会長と父真吾トレーナーが練習を視察。大橋会長は「今が一番強いのでは。受けて感じるものがある。リカルド・ロペス、ロマゴン、そういうレベルではないか」と説明。無敗の元2階級制覇王者リカルド・ロペス(メキシコ)、元4階級制覇王者ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)に似たオーラがあるとした。また真吾氏は「ガードもしっかりした位置。コンパクトに(拳を)出していた」と実力を感じ取っていた。