プロボクシング前WBO世界スーパーフライ級王者の中谷潤人(26=M・T)が、3階級制覇をかけた一戦で「年間最優秀KO賞」を独占した昨年の“衝撃KO”の再現を目指す。3大世界戦(24日、東京・両国国技館)の会見が22日、東京ドームホテルで行われた。昨年末に王座を返上して、挑戦者としてWBC世界バンタム級王者のアレハンドロ・サンティアゴ(28=メキシコ)に挑む中谷は「そういうシーンを生み出せるようにアグレッシブに戦いたい」と意気込んだ。

中谷は昨年5月にボクシングの本場、米ラスベガスのMGMグランド・ガーデンアリーナで行われたWBO世界スーパーフライ級王座決定戦で、元WBA世界同級王者アンドルー・モロニー(オーストラリア)と対戦。12回終了間際に強烈な左一発で失神KOして2階級制覇を達成した。

この衝撃的なKOシーンは世界を驚かせ、創刊100年以上の歴史と権威を誇る米老舗専門誌ザ・リングの23年ノックアウト・オブ・ザ・イヤー(年間最優秀KO賞)を受賞したほか、米スポーツ局ESPNの男子年間最優秀KO賞、米放送局CBSの年間最優秀KO賞にも輝いた。

この日の会見で外国人記者から、KO賞の話題を振られると「気持ちを強く持って、そういうシーン生み出せるように、アグレッシブに戦いたい」と毅然(きぜん)と答えた。会見後も記者に囲まれると「(あのKOシーンは)皆さんに(自分を)知ってもらうきっかけになった。楽しみにしてくれる人も増えた。期待にこたえられる試合をしていきたい」と、笑顔に自信をにじませた。

バンタム級のリミットはスーパーフライ級より1・4キロ重い。その分だけ対戦相手はよりパワフルでタフネスになるが、172センチと軽量級では突出した長身で、減量で苦しんできた中谷は「(今回はここまで)元気なままできた。バンタム級に上げて体にエネルギーがあまっている。必ずチャンピオンになる」と、階級を上げたメリットを強調した。

消化したスパーリングは278ラウンド。試合3日前の21日も7ラウンドをこなした。「いつも通り長いラウンドでしっかりと仕上げた。より集中して動けるのを感じる。長いスパーリングで、どんな状況でも対応するようしてきた。それを24日にきっちり当てはめていきたい」。衝撃のKO劇から9カ月。今度は3階級制覇でNAKATANIの名前を再び世界にとどろかせる。【首藤正徳】