4団体統一王者井上尚弥(31=大橋)が防衛(WBAスーパー、IBF3度目、WBC、WBO4度目)に成功した。WBO世界同級11位金芸俊(キム・イェジュン、32=韓国)の挑戦を受け、右ストレートで4回2分25秒KOで勝利。歴代単独2位となる4団体統一王者としての3度目防衛成功となった。
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井上のメンタルの強さが際立った防衛戦だった。試合が1カ月延期された上に、直前に挑戦者が変更になった。ふつうの選手ならネガティブになる。私も世界王者時代に1カ月前に挑戦者が右構えからサウスポーに変わった時に動揺したが、彼はそんな想定外もすべてポジティブに考えて、当たり前のようにKOで勝った。これはすごい。当初のグッドマン相手でも結果は同じだっただろう。
最後は右ストレートで顔面の急所を打ち抜いて倒したが、これには伏線がある。サウスポースタイルで防御を意識していた金に対して、1回から強烈なボディーブローを決めるなど、ボクシングの基本でもある上下の打ち分けを実践していた。だからこそあの強いパンチを当てることができた。基本がしっかりしている。これが彼の強さの根底にある。
井上にはフィジカル、技術、パンチ力に加えて、驚異的なメンタルの強さがある。だから、どんな状況でも、相手が誰でも自分の力をそのまま発揮できる。米国やサウジアラビアで戦っても、彼の強さは変わらないだろう。(元WBC世界スーパーフライ級王者)

