総合格闘家の石井慧(23=アイダッシュ)が、ボクシング亀田3兄弟の父史郎氏(44)直伝のパンチを武器にプロ3戦目に臨む。15日、修行先の米ハワイに向けて成田から出発。5月15日にニュージーランドのオークランド州で行われる総合格闘技興行「エクスプロージョン」に参戦することを明かした。日本滞在中は日本ボクシングコミッション(JBC)から「永久追放処分」を受けた史郎氏に弟子入り。ノーモーションパンチを習得し、新たな必殺技にすることを宣言した。

 17日間の日本滞在中に石井は「渦中の人」から必殺パンチを伝授されていた。成田空港に姿をみせた石井はパンチ技術の向上に自信満々だった。昨年の雑誌の対談で意気投合した亀田興毅を通じて父史郎氏に弟子入り。連日、亀田ジムでマンツーマンの打撃特訓を受けていたことを明かした。

 石井

 史郎さんはすごく大好きな人です。ずっと史郎さんに教わったノーモーションパンチをつめて練習してきました。今回初めて会いましたが、もうマブダチになってますよ。

 プロ2戦目となった3月20日のX-1で、構えをサウスポーに変更した。興毅と同じ左となったこともあり、左ストレートに磨きをかけた。特にノーモーションパンチは興毅が得意とするテクニックだ。史郎氏が総合格闘家の石井を教えることには問題ない。石井は同氏が「どう喝問題」の渦中にあることなどを意識もせず、「なんて熱い人だ」と伝授された打撃技を吸収していった。「ノーモーションは相手が度肝を抜くんじゃないですかね」と不敵な笑みを浮かべた。

 5月15日、ニュージーランドでのプロ3戦目が決まった。対戦相手は未定だが、キックボクサーが有力候補に入っており、打撃の真価が問われる。「ノーモーションは倒せるパンチではない。パンチにいくぞとみせかけて、ボクの頭の中にはグラウンドしかない。パンチとグラウンドのセットで必殺技です」。打撃をハワイで進化させ、プロ3戦目に備えるつもりだ。【藤中栄二】