高校生史上初のアマチュアボクシング7冠を獲得してプロに転向した井上尚弥(19=大橋)が、ファストフードチェーン店のロッテリアと契約を結んだことが18日、分かった。10月2日、東京・後楽園ホールで東洋太平洋ミニマム級7位クリソン・オマヤオ(19=フィリピン)とプロデビュー戦を行うが、デビュー前のプロボクサーにスポンサーが付くことは極めて異例。

 ロッテリアは元WBC世界フライ級王者の内藤大助氏、WBA、WBC世界ミニマム級王座を統一した井岡一翔らを支援してきた。だが、デビュー前の選手に対してスポンサーに付くのは珍しく、大橋会長も「注目の大きさ、期待の高さを肌で感じた」と驚きを隠せない。ロッテリア以外にも住宅販売会社ハウスプランなど、すでに計10社のスポンサーが決まった。

 この日は横浜市内のジムで、WBA世界フライ級13位の村中優(フラッシュ赤羽)らと8回のスパーリングを行い、1歩も引かぬ打ち合いで、何度も村中をコーナー、ロープに追い込んだ。スパー後、世界ランカーから「こんなにボコボコにされたのは初めて。パンチが速いし強い。想像以上でやばい」と絶賛された。

 「今日は大橋会長から教わったショートアッパーが良かった」と井上。試合までは、日本人世界ランカーとジムの先輩でもある日本ミニマム級1位原隆二らとのスパーで万全に仕上げていく。高校1年で高校3冠、同3年でアマ最高峰の全日本選手権を制した怪物は、スポンサーの期待を裏切らない。

 ◆井上尚弥(いのうえ・なおや)1993年(平5)4月10日、神奈川・座間市生まれ。小学1年で元アマ選手の父真吾さんに師事。相模原青陵高1年時でインターハイ、国体、全国選抜と3冠達成。3年時に国際大会プレジデント杯、全日本選手権を制覇し、アマ7冠。アマ通算75勝(48KO・RSC)6敗。163センチの右ボクサーファイター。家族は両親と姉、弟。高校1年の弟拓真さんも高校2冠を達成。