<ゼロワン:ユニバース>◇6日◇東京・後楽園ホール◇7試合

 元64代横綱の曙(43)が邪道・大仁田厚(55)に敗れた。

 急性肺炎から72日ぶりにリング復帰し、8月26日に電流爆破マッチで勝利した邪道・大仁田とランバージャックデスマッチで対戦。セコンドを控室に戻して1人で大仁田軍5人と戦ったが、赤い毒霧で目つぶしを受けた後、有刺鉄線バットでめった打ちにされ、10分0秒に体固めで敗戦。来年2月8日に大阪・ボディメーカーコロシアムで電流爆破マッチによる再戦が決まった。

 曙が邪道・大仁田のわなにはまった。「復帰戦で、自分の成長する姿を見せたい」と、互いのセコンドが加勢するランバージャック戦にもかかわらず、一緒に入場した曙軍団ゼロ64の4人に退場を命じた。マイクを握り「セコンド、いらないから帰ってくれ。俺1人で十分だよ。帰らないなら解散だ」と宣言。4人が引き揚げると、1人で大仁田と、その4人のセコンドに立ち向かった。

 この復帰戦のために肉体改造を行いシェイプアップしたとはいえ、203センチ、190キロ超の体は、181センチ、81キロの大仁田を圧倒する。腕を後ろに組んだまま顔を突き出して「来い!」と大仁田を挑発。大仁田がビンタを見舞ってもひるまず、元横綱のプライドをにじませた強烈な張り手一発で大仁田を吹っ飛ばした。コーナーで押しつぶし、エルボードロップを落とした。

 だが、ここで大仁田のセコンドがエプロンから有刺鉄線バットで攻撃。曙はリングに引きずり込んでボディープレスを見舞う。このすきに大仁田に後ろからリング下に蹴落とされ、大仁田軍のセコンド4人にめった打ちにされた。リングに戻され大仁田に赤い毒霧を食らって視界がシャットアウト。DDT、そして有刺鉄線バットでめった打ちにあい、カウント3を奪われた。

 曙は「俺は、こんな戦いをするために戻ってきたんじゃない。真剣勝負だ。どこでもかかってこい」。大仁田が「曙はセコンドを拒否して、自分で墓穴を掘った。俺の勝ちだ。電流爆破、2月に決定!」とほえると、曙が「その爆破、食ってやるよ。もっと元気出してこい」と受けて、来年2月8日に大阪で、電流爆破マッチでの再戦が決定した。【小谷野俊哉】