大相撲春巡業は14日、東京・町田市で行われ、地元出身の幕内北太樹(33=山響)が“念願”をかなえた。平日にもかかわらず前売りチケットは完売で、朝から4800人の超満員。両親や友人らも駆けつけ、特注の化粧まわしを着けた6カ月の長男英慶ちゃんを抱いて土俵入りすると、この日一番の大歓声を受けた。

 本場所では地方場所と比べて、年3回の東京場所での地元出身力士への声援は少ない。かねて「何の得もない」と嘆いていたが、ようやく地の利を得て「やっぱり、いいものですね。東京はもうちょっと冷たいと思っていたけど、温かかった」と感激していた。

 町田市での巡業開催は80年ぶりで、来年も開催予定。幕内では安美錦(37)に次ぐ古参力士は「子どもの記憶に残るまで続けたい」と意欲を見せた。