西前頭9枚目の大栄翔(22=追手風)が、不運に泣いた。

 大砂嵐を一気の出足で土俵外へ吹っ飛ばした。大砂嵐が土俵に戻るまで待ち、勝ち名乗りを受けようと礼をしようとしたときだった。行司木村寿之介の「ただいまの勝負、取り直しにござりまする~」の声が響き、きょとんとした。大砂嵐の手つきが不十分だとして審判が手を挙げて、やり直しになっていた。「分からなかった。行司の『待った』の声が聞こえなくて、成立したのかと思っていました」。

 迎えた「2度目の相撲」では突き起こされて左上手を許し、寄り倒された。会心の相撲が一転、黒星に。ただ、支度部屋では言い訳はせず「悔いはない。2回目も勝てば良かったので。それに負けただけです」と話した。