大相撲名古屋場所(10日初日、愛知県体育館)で史上3人目の通算1000勝達成を狙う横綱白鵬(31=宮城野)が4日、安倍政権を自身の取り口に例えて批判したとして、民進党の野田佳彦前首相から謝罪を受けた。名古屋市内で開かれた激励会に、民進党の別の議員2人が代理で登壇。斎藤嘉隆参議院議員から「白鵬関の取組について、やゆするような、誤解を招くような発言があった。ご迷惑をお掛けしましたことを心からおわび申し上げます」と謝罪され、野田氏直筆の謝罪文を受け取った。

 野田氏は参院選の公示日だった先月22日の街頭演説で「白鵬は力が衰えた分、立ち合いが汚い。左手を相手の顔に出し、ひるんだところに右肘でエルボーを入れる。豪栄道は眼窩(がんか)底骨折。安倍政権も同じ。左手でアベノミクスと言い、右手で憲法改正。顔面骨折は、国民がするんです」などと痛烈に批判し、同16日付のブログにも書き込んでいた。

 これを知った名古屋後援会が抗議文を提出し、服部章平会長は「相撲の取り口と政治を一緒にしてもらっては困るし、横綱を引き合いに出すのはもっての外」と説明。白鵬は「応援してくれた人が悔しい思いをしたと思う」と複雑な心境を明かした。