日本相撲協会は26日、元小結時天空(36=時津風)が引退し、年寄「間垣」を襲名したと発表した。

 時天空は悪性リンパ腫の治療のため、昨年11月の九州場所から5場所連続で全休。抗がん剤治療にも取り組んでいた。7月の名古屋場所は三段目26枚目だった。

 時天空が体に異変を感じたのは、昨年7月ごろ。右脇腹に痛みを覚え、名古屋場所後に病院で「あばら骨のヒビ」と診断された。だが秋場所終盤には休場も考えるほどの激痛に襲われ、夜も眠れなかったという。知人の紹介で都内の病院で再度検査すると、患部に腫瘍が見つかった。さらに調べた結果「悪性リンパ腫」であることが分かった。

 昨年10月ごろから抗がん剤治療も受け、今年1月に事情を公表した時津風親方(元幕内時津海)は、本人が「治して土俵に上がりたい」と話していたと説明していた。

 モンゴル出身の時天空は2000年に東農大に留学した。その後、時津風部屋に入門し、02年名古屋場所で初土俵。柔道経験を生かした蹴手繰りなど巧みな足技などで観客を沸かせ、07年春場所は小結に昇進。14年1月に日本国籍を取得していた。

 29日に引退会見を開く予定。