大相撲秋場所で初優勝を全勝で飾った大関豪栄道(30=境川)が、10月16日に地元大阪・寝屋川市で祝賀パレードを行うことが26日、内定した。大阪市での巡業後に故郷に戻り、喜びを分かち合う。千秋楽から一夜明けたこの日は、東京・足立区の部屋で会見。初の綱とりになる九州場所(11月13日初日、福岡国際センター)への意気込みを示した。

 故郷の市民も熱望していた豪栄道の初V祝賀パレードが、過ごしやすい秋の休日に開催される。10月16日の日曜日に、中学卒業まで過ごした大阪・寝屋川市で行うことが内定。当日は朝から大阪市の巡業に参加後、夕方から地元で喜びを共有する。約24万市民の多くから祝福を受けそうだ。

 千秋楽から一夜明けたこの日は、東京・足立区の部屋で会見。「まさか全勝とは夢にも思わなかった」と笑みを浮かべた。喜びを実感しつつも「これで終わると、またダメ大関って言われますから。これからが大事」と気を引き締めた。

 次の九州場所は、初の綱とりになる。全勝優勝した大関が、翌場所で綱に挑むのは7度目。過去6人中4人は不成功に終わったが、94年貴ノ花、12年日馬富士の直近2人は2場所連続全勝優勝で昇進した。のしかかる重圧に対し、豪栄道は「過度に意識しない、自分の得意な形で相撲を取ること」を対処法に挙げた。

 大阪出身の横綱は、1917年(大6)夏に昇進した第26代横綱大錦だけ。仮に豪栄道が来場所で綱とりに成功すれば、来年初場所が新横綱となり、ちょうど100年ぶりの“なにわ横綱”誕生となる。

 九州場所は師匠の境川親方(元小結両国)が担当部長を務めており、豪栄道も「ファンのみなさんに足を運んでもらえるような相撲を取りたい」と気合も入る。29日に巡業PRで大阪に凱旋(がいせん)するなど、忙しい日が続きそうだが「いい状態で福岡に入れるように調整したい」。人生最大の挑戦へ、しっかり準備を整える。【木村有三】