大相撲の横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が11日、水戸市にある第19代横綱常陸山の像の前で土俵入りを行った。

 太刀持ちに同郷の弟弟子の新大関高安、露払いには幕内松鳳山を従えて、常陸山の生家跡地で土俵入りを終えた稀勢の里は、同じ茨城県出身だけあって「大横綱であって、茨城の先輩横綱。このような機会をつくっていただいて本当にありがたく、光栄です」と感謝した。

 常陸山は明治から大正にかけて活躍した横綱。現役時代から「角聖」と呼ばれ、明治維新の動乱で衰退した相撲界を回復させた。1907年には本場所を休場してまで弟子3人と渡米し、当時のセオドア・ルーズベルト大統領に会ってホワイトハウスで土俵入りを行い、米国に相撲を広めたこともあった。

 同じく「土俵の充実」に心を寄せる稀勢の里は「力士1人1人が自覚を持てば、相撲界も盛り上がる。その1人として、やっていきたい」と誓っていた。