新しい師匠の元、新生友綱部屋が船出の稽古始めをした。11日付で先代師匠(65=元関脇魁輝、現大島親方)と年寄名跡を交換し、12代目を継いだ友綱親方(42=元関脇旭天鵬)率いる友綱部屋が13日、東京・墨田区内の部屋で稽古を行った。前日12日は稽古休みだったため、この日がスタートの一日となった。

 いつも通り朝7時半から稽古開始。上がり座敷の真ん中から稽古を見守るのは初めてとあって「いつも端っこに座ってたから違和感があるね。前の師匠(元大関旭国)も先代も真ん中にいたから、自分がそこにいるイメージがない。まあ徐々に慣れていけばね」と話すように、落ち着かない様子で何度も土俵周りを歩きながら、関取衆とコミュニケーションも取った。

 親方一家が引っ越すのは8月の予定で、それまでは通いながらの指導になる。「名古屋場所中にリフォームして(8月に)引っ越すから、本当の意味での師匠と思えるのは、それからだろうね。一緒に力士たちと住み始めて、初めて実感するだろう」と話した。師匠になったが、急に考え方が変わるわけもなく「かしこまっても仕方ない。今まで通りでいいかなと思う」と話す一方で「(来日して)26年で学んだことがある。相撲だけが人生じゃないんだから、部屋の若い子には人付き合いとかを教えたい」と自身のカラーを徐々に打ち出すつもりだ。

 また今後、新弟子のしこ名には「そこは、こだわってもいいと思う。どこの部屋か分かりやすいし」と話すように、自身の現役時代の一文字をとって「鵬」を付けたい意向も明かした。また「旭天鵬」についても「名乗りたい、という子が出たらこだわりはない」と、「2代目旭天鵬」の誕生にも寛容な姿勢を示した。