大相撲の新大関高安(27=田子ノ浦)が28日、名古屋場所(7月9日初日、愛知県体育館)から締め込みの色を新しくすることを明かした。大関に昇進した水色から一新。今までのイメージにない色にするという。朝稽古では横綱稀勢の里と相撲を取って11勝10敗。兄弟子に勝ち越すのは春場所前以来で、当時は初日から10連勝をはじめ、12勝を挙げるなど自己最多ずくめ。“吉兆”を自信に、調整していく。

 新大関として臨む名古屋場所。高安は気分も新たに、関取の“戦闘服”ともいえる締め込みの色を一新することを決めた。「節目節目ということもあって、変えても良いのではと」。宿舎がある愛知県長久手市内のイベント後に明かした。

 新十両に昇進した10年九州場所から、先代師匠の鳴戸親方(元横綱隆の里)の新十両時と同じえんじ色に始まった締め込み。12年春から深緑色に変え、昨年夏からは鮮やかな水色を締めて大関に上り詰めた。次の色は「お楽しみ」と笑ったが「今までにないイメージかな」。黒や紺系統の、濃いめの色になる模様だ。

 この日の朝も、稀勢の里と連日の稽古を行った。中盤で8連勝したが「4連勝くらいかと思っていた」と記憶にないほど、無我夢中だった。「踏み込みと右からの攻めを意識」しながら一心不乱に挑み、右の巻き替えや右上手で振るなど、得意の左とは逆の手で攻めた。がっぷり四つでも、馬力自慢の横綱を寄り切る。11勝10敗の勝ち越し。「力勝負をするのも稽古。押し込めれば気持ちも乗るし自信になる」とうれしそうだった。

 横綱に稽古で勝ち越したのは春場所前以来。その場所では初日から10連勝で12勝と、自己最高が並んだ。「贈ってくださる方のためにも、いい結果を報告したい」。次は、綱を引き寄せる色とする。【今村健人】