19日に千葉県船橋市の路上で自転車とともに倒れた状態で発見され、一時意識不明で開頭手術を受けた元大関若嶋津の二所ノ関親方(60=本名・日高六男)の容体について、部屋付きの湊川親方(元小結大徹)は20日、市内の病院前で「少しずつ快方に向かっている。医者から聞くと指先が少し動いたり、少しずつ反応がある。少しずつ動かすという形があるので、見守っていただきたい」と説明した。集中治療室(ICU)で小康状態を保っており、命に別条はないという。

 関係者によると、親方は行きつけのサウナから自転車で部屋に帰宅中に転倒。その際に側頭部を強く打ちつけて陥没骨折し、頭部にたまった血を抜く緊急手術を受けた。また、直前に訪れていた入浴施設でも、風呂場でふらついて倒れたという目撃情報がある。

 親方は一時は意識不明に陥ったが、4時間半に及ぶ手術を経て、現在は「薬で眠っていただいている状況だと思う」(湊川親方)。ICUには近づけないものの、みづえ夫人ら家族が寄り添い、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)も見舞いに訪れた。理事長は「本当に良くなることを願っています」と話した。

 二所ノ関親方は現在、審判部長を務める。春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)は「一命を取り留めて良かった」と胸をなで下ろした上で「昨日の今日で、まだ実務の話はできないが、状況的に11月(九州場所)は代役を立てなければ難しいだろう」として、来週にも話し合う考えを明かした。