大相撲の横綱日馬富士(33)が平幕貴ノ岩(27)に暴行し負傷させた問題で、鳥取県警が28日、現場のラウンジに同席していた横綱白鵬(32)を、福岡市内のホテルで参考人として聴取した。捜査関係者への取材で分かった。

 捜査関係者によると、鳥取県警は、17日に東京・両国国技館で日馬富士から任意で事情を聴いたが、近く再聴取する方向で調整している。県警は聴取結果などを踏まえ、年内にも傷害容疑で書類送検する方針。

 県警の聴取で、日馬富士は、素手やカラオケのリモコンで殴るなどしたと説明。県警は、既に同席者の横綱鶴竜らも聴取しており、事実関係や動機などの解明を進めている。

 一方、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は28日、東京都内のスポーツ庁で鈴木大地長官と会談し、一連の騒動を謝罪した。鈴木長官は「大変残念に思っている。国民の期待を裏切った」と述べ、説明責任を果たすことを要請した。

 白鵬は九州場所千秋楽の26日、土俵下でのインタビューで「力士代表としておわび致したい」とし、事態を究明して「うみ」を出し切ることが必要との考えを示した。

 また、16日の報道陣の取材には「すぐに止めに入って(日馬富士を)部屋から連れ出した」と説明。日馬富士はビール瓶を持ったものの、手から滑り落ちたと話していた。

 関係者によると、日馬富士は鳥取市内にあるラウンジの個室で、白鵬から生活態度を注意されていた貴ノ岩が、知り合いから連絡が来たとしてスマートフォンを操作しようとした態度に怒り、殴打したとされる。