元横綱貴乃花親方が9日、内閣府に告発状を提出したと発表した。

 貴乃花光司の名前で「内閣府公益認定等委員会に対する告発について」と題したファクスをマスコミ各社に送付するとともに、貴乃花部屋のホームページ(HP)も更新、元横綱日馬富士関による傷害事件をめぐり、相撲協会の理事を解任された件や内閣府の告発状に至った理由などを説明した。HPの内容は以下の通り。

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内閣府公益認定等委員会に対する告発について

 

2018.3.9

 私は、本日、内閣府公益認定等委員会に対し、代理人弁護士を通して、公益財団法人日本相撲協会による本件傷害事件への対応が、事業の適正な運営の確保に重大な疑義を生じさせるものであることから、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律に基づく立ち入り検査、質問及び適切な是正措置を求める勧告をしていただきたい旨の告発状を提出いたしました。

 平成29年10月26日に、元横綱日馬富士公平氏による貴ノ岩義司に対する傷害事件が発生し、その後、本件傷害事件に関連して、日本相撲協会危機管理委員会による本件傷害事件の調査・報告、日本相撲協会理事会及び評議員会による決議等のほか、日本相撲協会横綱審議委員会による発言等があり、私は、平成30年1月4日、評議員会の理事解任決議により日本相撲協会理事を解任されました。

 本件傷害事件の調査・報告、日本相撲協会の各組織による決議・発言等については、不当・不適切にとどまらず、違法なものも存し、公益法人としての日本相撲協会及びその各組織の適正な運営には次に述べるとおり、重大な疑義が生じています。

 第1に、本件傷害事件の解明は、関係者の処分や再発防止策の策定等の大前提となるものであり、適正な事実関係の解明と事件処理を行えない公益法人においては、その事業の適正な運営を確保できているとは評価できません。

 この点、本件傷害事件に関する日本相撲協会による調査は、第三者により行われたものではありません。また調査にあたった危機管理委員会は、被害者の同意を得ることなく、被害者の具体的な診断内容を入手して報道機関に公表しています。さらに同委員会は、被害者の主張を聞く前に中間報告要旨を公表し、その後の最終報告においても重要な点で被害者の主張が全く反映されておりません。

 このように、本件傷害事件に関する日本相撲協会による調査は、公正中立な内容とは到底評価できないものであり、身内による全く不十分な調査と報告をもって済ませようとしています。

 第2に、理事の解任は公益法人にとって重大行為であり、正当な理由のない解任行為は、公益法人による事業の適正な運営の確保に対する重大な疑義を生じさせるものであるところ、私の理事解任理由とされた事項は、いずれも、法的には、解任事由に相当するような理事の職務義務違反になると認めることは困難なものです。それにもかかわらず、評議員会は、私が求めた弁明の機会を与えずに、理事の解任という重大行為に及んでいます。

 以上の詳細は、告発状にて詳述しておりますが、いずれも、公益法人としての日本相撲協会が各組織の適切な運営等を確保できていないことを示すものですので、日本相撲協会の公益認定に関する監督権限を有する内閣府公益認定等委員会に対し、立ち入り検査、質問及び、適切な是正措置を求める勧告をしていただきたく告発申し上げた次第です。

貴乃花 光司

(原文まま)