日本コカ・コーラさん、次は僕にも懸賞を! 東前頭6枚目の魁聖(31=友綱)が、押し出しで大栄翔を破り、無傷の6連勝を飾った。初日からの連勝としては、新入幕で9連勝した11年5月の技量審査場所以来、約7年ぶり。全勝は横綱鶴竜と2人だけとなった。1月の初場所でジョージア出身の栃ノ心が平幕優勝し、今場所は日本コカ・コーラから缶コーヒー「ジョージア」の懸賞が付いたことに刺激。優勝争いに絡み、愛飲するコカ・コーラの懸賞を付けてもらうことを目標に快進撃を続けている。

 まるでよく振ったコーラを開栓したように、魁聖が立ち合いから勢いよく飛び出した。もろ手で突いてはじき飛ばすと、体勢を崩した大栄翔に、さらにもう1発。土俵際で粘られたが、猛然と迫って触れずに圧力をかけ、たまらず土俵を割らせた。「足も出たし、腕も伸びた。本当は目立ちたくないから緊張した。でも緊張した方がなぜか冷静」と笑顔で話した。

 先場所、栃ノ心が平幕優勝し、今場所はその再来を期待する声が、早くも自身の耳に届いている。そうなればジョージアに続き、ブラジル出身力士として初優勝となるが「全然考えていない。まずは勝ち越し」と控えめ。それよりも栃ノ心に今場所かかっている「ジョージア」の懸賞に触発されている。出身地と商品が同名ということもあるが、販売元の日本コカ・コーラによると、栃ノ心が愛飲していることが最大の理由だという。これに魁聖も「自分もコカ・コーラが大好き。懸賞付かないかな」と色気を見せた。

 現在は糖尿病にかかることを心配し、500ミリボトルを1日1本に抑えたが、ブラジルでは昼食時だけで1・5リットルも飲んでいた。何よりも「赤ちゃんのころから飲んでいて、哺乳瓶にコーラが入っていた。本当だよ、写真が残っているんだから!」と熱弁。「国によって砂糖が違うから味が少し変わる。コカ・コーラマニアだよ」などと、朝稽古後は話が止まらなかった。

 連勝中は毎日、会場に向かう車中で「験担ぎ」と、1日1本を堪能する。「優勝は狙ってないけど懸賞がつくなら頑張らないと」。懸賞は企業の方針によるがコカ・コーラへの愛情が、優勝へと近づけているのは間違いない。【高田文太】