付け人に暴力をふるい、前日の9日目から休場している十両貴公俊(20=貴乃花)の、史上初の双子関取となった弟貴源治(20=同)が、師匠の貴乃花親方(元横綱)の言葉を胸に土俵に上がった。

 4勝5敗で迎えたこの日は、西十両11枚目の志摩ノ海(木瀬)と対戦。かち上げで立ったが相手の圧力に後退。たまらず引いて呼び込んでしまった。劣勢のまま何とかしのいで向正面まで回り込んだが、左足を残して反撃しようとした体勢でバランスを崩し、押し倒されて6敗目を喫した。

 気負いなのか、精神的な動揺を引きずっているのか「上体に力が入ってバタバタした相撲を取ってしまった」と振り返った。この日朝、稽古場で師匠から「さとし(本名の賢)はさとしで(兄とは)別だぞ。心配するな」と声をかけられたという。それでも「結果的に親方に迷惑をかけることになってしまった。師匠の足を引っ張りたくないと思い、15日間を取ろうと思っていたけど…」と、揺れる心の内を吐露していた。