新大関の栃ノ心(30=春日野)が故郷ジョージアから再来日して一夜明けた13日、名古屋場所(7月8日初日、ドルフィンズアリーナ)に向けて都内の部屋で始動した。夏場所後から昇進行事や表彰などで多忙を極めた帰国と続き、休む間もなく迎えた大関初稽古。17日ぶりの稽古土俵は若い衆に約15分間で24番、胸を出し「つらいよ…つらい。自分の時間は1日もなくて1日も休めなかった」と疲労の色はありありだった。

 嘆くばかりではない。故郷の歓待で大関の重責を実感した。「ここまで感じられなかったことを感じた。(故郷で自分を)知らない人はいないし、どこへ行っても『大関!』ってね。うれしかった」。夏場所で痛めた右手首は「ぶつかりも痛くて当たれない。早く治さないと」と不安も残るが新大関として早くも「とりあえず2ケタ(勝利)」と目標を定めた。