元横綱大鵬の孫で、西三段目50枚目の納谷(18=大嶽)が、送り出しで東三段目51枚目の松山を破り、白星発進した。立ち合いは、相手ののど輪で一瞬、上体をのけぞらせたが、すぐに突いて前に出た。左のはず押しで相手を後ろ向きにすると、すぐに右で突いて土俵外に追いやった。立ち合いで1度合わず、つっかける形となったが「気持ちだけ前に出ていたかも。『待った』してから落ち着いた」と振り返った。上体をのけぞらせた場面も「慌てなければ大丈夫と思っていた」と、冷静に取り切った。

 160キロ台中盤の体重はほとんど変わっていないというが「服がきつくなってきた。首とか腕周りとか」と、筋肉量が増えたことを実感しているという。押し相撲だが「まわしを切る動きを見て、盗もうとしている。テレビでも見るけど、1番は生で見て、部屋の兄弟子に教えてもらっている」と、技術習得にも積極的に取り組んでいる。

 5月の夏場所では初めて黒星を喫し、場所中にせき込むなど、体調不良にも陥っていた。当時について「風邪ではないです。五月病かな」と冗談交じりに答えるなど、余裕ものぞかせるようになった。元横綱朝青龍のおいで、序ノ口デビューが同じ3月春場所のライバル豊昇龍が、初日に敗れたが「誰かが負けたらどう、とかではなく、しっかり自分が勝っていけばいい」と、気を引き締め直していた。