十両優勝を果たした大関経験者の西十両13枚目の照ノ富士(28=伊勢ケ浜)が、東十両6枚目の大奄美に負けて連敗で今場所を終えた。立ち合いで左上手が取れず、寄り切られた。

10場所ぶりに十両に復帰した今場所を「長いね。昔は(場所の)最後の方に調子が上がっていく感じだった。今は初日よりも体のハリがない」と振り返った。それでも「自分の立ち合いの圧力はちょっとずつ取り戻しつつあるのかな。簡単に押されなくなった」と手応えを口にした。

初日から無傷の13連勝と快進撃を見せ、14勝以上なら春場所での再入幕の可能性もあった。しかし「昨日の負けの時点で幕内はないと自分の中ではあった」と欲は見せず。十両上位の番付が予想される春場所に向けて「自分の中ではもう来場所は始まってますから」と来週から早速、体を動かすという。

病気や膝の負傷から復帰した時の目標は、20年初場所での再十両だったという。見事に達成し、次の目標は「オリンピック前の名古屋場所で幕内に戻ること」と意気込んだ。なぜ東京五輪までになのかを問われると「そうやって目標を立ててやらないとやる意味がない。ダラダラやっても意味がない。1つの目標に向けてやると頑張れる」と自らを奮い立たせるためだった。