大相撲7月場所(19日初日、東京・両国国技館)で新入幕を果たした東前頭15枚目琴勝峰(20=佐渡ケ嶽)が23日、日刊スポーツの電話取材に応じた。20歳の大器は、幕内デビューの晴れ舞台に向けて、黙々と稽古に励んでいる。

本場所再開まで4週間を切ったこの日、琴勝峰は「自分にできることを少しずつやっています」と近況を明かした。数日前から、関取衆を相手に相撲を取る稽古を再開させた。番数はまだ5番程度。「そんな簡単に(感覚を)失ってはいません。これから、より精度を上げていきたい。いつもより大事にやっていきます」。徐々に徐々に、焦らず調整を重ねていく。

新入幕として迎えるはずだった夏場所は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となった。3月の春場所後、約4カ月間の外出自粛生活。部屋のトレーニングルームで体を鍛える時間が増えた。「週に3回、今までは週に1、2回くらいでした。基本は基礎(運動)を大切にやっています」。体重は165キロをキープしている。兄弟子の前頭琴ノ若は新十両昇進から約15キロ増加したが「自分のペースで増やしていきます」と話した。約3年前の入門時、188センチだった身長は3センチ伸びて191センチ。まだまだ“育ち盛り”だ。

この外出自粛期間は、ストレスをためないように心掛けている。部屋の個室で漫画を読むことが趣味の一つ。好きな漫画は人気漫画の「キングダム」。電子書籍で全57巻(6月現在)集め、気分を盛り上げている。

兄弟子の前頭琴ノ若(22)は、春場所で9勝6敗の成績を残し、新入幕勝ち越しを果たした。柏市の相撲少年団、埼玉栄高の先輩で、幼少時から背中を追いかける兄弟子の活躍に「いい刺激をいただいています」。7月場所では、自身もまずは勝ち越しを目指す。「一番一番集中して、気持ちを大事にしていきたい」。

序ノ口デビューから所要14場所で幕内まで駆け上がった角界のホープには、気合がみなぎっている。【佐藤礼征】