異常事態の中で10日初日の大相撲初場所(東京・両国国技館)を迎える。日本相撲協会は9日、協会員878人を対象に実施した新型コロナウイルスのPCR検査の結果を発表。九重部屋の西前頭13枚目千代翔馬(29)、西十両5枚目千代鳳(28)、幕下以下の力士2人、友綱部屋の幕下以下の力士1人の計5人の感染が判明した。協会は直近で力士らの感染が判明した宮城野部屋、荒汐部屋、湊部屋を含む計5部屋に所属する親方や力士らの初場所全休を決定。新型コロナの影響で、関取15人を含む力士65人が休場となった。

取組編成を担う審判部も休場力士の続出で対応に追われた。PCR検査の結果を待つため1日遅れで初日、2日目の取組編成会議を開いた。感染者と濃厚接触者が大量に判明し、本来は21番ある幕内は18番に、14番ある十両は9番となるなど取組数が縮減。10日の取組開始は通常の場所初日より大幅に遅い午前9時50分となった。電話取材に応じた伊勢ケ浜部長(元横綱旭富士)は「結構(休場者が)多いので割は難しいけど、つくっていかないといけない」と、緊迫感を漂わせた。大関貴景勝の綱とりについては「そのときの流れ。結果を見てから決める」と慎重に言葉を選んだ。休場力士の番付措置は場所後の27日に行われる番付編成会議で話し合う。