大関貴景勝(24=常盤山)が、西前頭5枚目隠岐の海(35=八角)を下して、かど番を脱出した。力強い突き押しで土俵際まで追い込むも粘られ、右に動かれて頭を抑えながら引かれた。それでも落ちることなく足を運び、前のめりに倒れながら押し出した。「今日は今日で集中してやるだけだと思った。一番一番、一生懸命やることしか考えていない」とかど番脱出に向けて一心不乱だった。

兵庫県出身の貴景勝にとって、春場所は準ご当地場所になるはずだった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響により東京開催に。地元ファンからの声援を直接、本土俵で受けることはなくなったが「土俵に上がったら一緒。テレビの前でいい相撲を取ることで地元の人も喜んでもらえると思う。いい相撲を心がけて明日も頑張ろうと思う」と話した。