4日間の日程で行われる大相撲の合同稽古が19日、東京・両国国技館内の相撲教習所で始まり、大関朝乃山(27=高砂)が大関同士の三番稽古(同じ相手と連続して相撲を取る稽古)で正代(29=時津風)を圧倒。12勝3敗でスタートを切った。

横綱白鵬(36=宮城野)、大関の貴景勝(24=常盤山)と照ノ富士(29=伊勢ケ浜)は不在のため、番付最高位で臨んだ2人は、関取衆の申し合い終了後、土俵に入り23分間、相対した。ほとんどの相撲で立ち合いは互角で右四つに組む相撲が多かったが、左上手を素早く引く得意の形になった朝乃山が、その後の攻めも圧倒。そのまま一気に寄り切ったり、上手投げ、すくい投げで仕留めるなど動きの良さが目立った。

三番稽古は朝乃山の方から、それとなく打診して実現した。「関取衆とは久しぶりにやるので、ケガなく終われたらいいし、踏み込み、左上手、そうゆうのを大事にしながらやっていきたい。いろんなタイプの関取衆がいるので(翌日からは)誰か指名してやろうかなと」と狙いを説明し、残り3日間は三役以下の関取衆との稽古にも意欲を見せた。

初場所後に、約1年ぶりに故郷の富山に帰省。大関昇進後は初めてで、あいさつ回りなどで気分転換を図れた。富山商高時代の相撲部監督で、4年前に死去した浦山英樹さんの自宅も訪問。仏壇に手を合わせ、心の中で、大関昇進の報告と稽古に精進して頑張ることを誓った。「大関になってちょっと、ふがいない場所が続いていますので。ケガしないように見守っていてください、と言いました」。富山商高にも足を運び、部活動で汗を流している後輩たちに、自己紹介と“訓示”もした。「『3年間、短いようで長いような、アッという間なので、1日1日むだにしないように高校生活を送ってください』と言いました」と朝乃山。その言葉は、高校卒業から9年たった今でも、自分に言い聞かせている言葉なのかもしれない。