大相撲名古屋場所(7月4日初日、ドルフィンズアリーナ)で19年九州場所以来の大関復帰を目指す関脇高安(30=田子ノ浦)が1日、都内で報道陣の電話取材に応じた。

既に多くの力士が名古屋入りしている中、高安は「ギリギリまでコンディショニングを、こっちでやろうと思って」と話すように、初日2日前の2日に名古屋入りする予定だ。2年ぶりの名古屋場所で「体調管理には、しっかり気をつけて気を引き締めてやりたい。やはり気温が高いし、体力も消耗しますから、体のケアはしっかり考えて、連日の相撲に力が出せるようにしたい」と体調管理には万全を期す。

兄弟弟子でともに出世街道を歩み、親方になっても胸を出してくれた荒磯親方(元横綱稀勢の里)は、場所後に独立し部屋を興す。最近のここまでの稽古を「力強い相撲を取れるように、荒磯親方の胸を借りて精いっぱい、取り組んできました。荒磯親方も手を抜かずに取っていただいた」と振り返り、この日が荒磯親方の胸を借りる最後の稽古で20番取ったことも明かした。「15歳で入門してから稽古をつけていただいていますので、その時のことを考えながら稽古に身を入れて、精いっぱいやることができました」と感謝の思いでいっぱい。大関陥落後も「昨年の7月場所が休場明けの場所で、それからずっと結果を出すことが出来ているのも、荒磯親方との稽古のおかげです」と思いを語った。

恩返しになる大関復帰に向けて「挑戦できる、いい機会をもらったので、まずは千秋楽まで優勝争いに絡んで、本当にいい内容の相撲を取っていきたい」と高安。この日の稽古後、荒磯親方には「ありがとうございました」と感謝の言葉を伝え「本当に感謝の気持ちでいっぱいですね。名古屋場所で結果を出したいと思います。結果を出して恩返しをするのが一番」と誓った。荒磯親方が部屋創設後、出稽古が解禁されれば「荒磯親方の(部屋の)方に出稽古に行こうかなという気持ちはあります」とも話した。

今場所は自身の大関復帰がかかるのと同時に、ライバル関係にあり、ともに大関陥落を経験した大関照ノ富士(29=伊勢ケ浜)に綱とりがかかる場所でもある。それは刺激にもなるようで「大関に駆け上がって行くのも、陥落して苦労しているのも見ている。一回りも二回りも強くなって戻ってきて本当に素晴らしい力士だと思う。本当にいい影響を受けながら毎場所、それをモチベーションに励んで(自分も)結果を出すことができた。大関も大事な場所だし、自分も結果を出さないといけない場所。そこを1つの励みに、対戦するまでいい相撲を取って、終盤につなげられたらと思います」と話した。

三役で2場所連続2ケタ10勝を挙げており、大関復帰には優勝争いに絡んだ上で12勝以上が求められそう。プレッシャーのかかる場所だが、まずは数字を頭から外し、日々の相撲内容を重視する。「気持ちとしては15日間、千秋楽まで名古屋場所を盛り上げられるように取り組みたい。勝ち負けより相撲内容。盤石な力強い相撲を見ていただきたいです。あとは結果がついてくると思う。そこをモチベーションにして、やっていきたいです」と自然体を強調していた。