大相撲秋場所(12日初日、東京・両国国技館)に4度目のかど番で臨む大関貴景勝(25=常盤山)が、初日まで残り4日となった8日、朝稽古後に報道陣の電話取材に応じた。

この日に限らず「毎日(稽古では)相撲を取っているという感じですね。(番数は)数えていないので分からないです」と現状を説明した。今の状態は「自分に出来ることをやっていくんで、あとはやるしかないですね」と端的に話した。7月の名古屋場所は首を痛め3日目から休場。「もう治っているし、ケガはもう関係ないです」と言い、かど番についても「毎場所、優勝を狙っているので、かど番とかは関係ない。しっかり一生懸命やり切ることが大事」と前向きな姿勢は変わらない。ケガの影響で本格的な稽古再開は、8月30日の番付発表前ぐらいからだが「首のケガなんか今に始まったことじゃない。ずっと付き合いながらやっている。今まで通りにやって強くなれると思っています」と強気な姿勢も失われていない。

首のケガで、頭から当たる恐怖心はないのか-。本格的な稽古再開後は「頭できちっと当たっていかないといけない。そこも徐々に上げていきながら、あとは徹底して突き相撲と押し相撲を磨いていくという意識と気持ちでやりました」と話す。もちろん大事な箇所だけに「中途半端な段階でやると、怖さはあると思うけど、しっかり鍛え上げてから始めたので、そこは不安はなかったです」と細心の注意を払って稽古土俵に上がっている。

健康管理への取り組み方は、現役力士でも屈指とされる貴景勝。ケガの治療と強化に努めた、この約2カ月間も「食事内容とか、まわしを締めていない時の取り組み方とか意識してやっていることはやっている」と言う。ケガの原因についても「自分に原因があってケガをしているわけだから、何が悪かったのかよく考えて、またしっかり取り組み直して、という感じですね」と時間を無駄にはしなかった。

名古屋場所後に、自分も目指している横綱に、照ノ富士が昇進した。「とりあえず自分のことに集中して、本場所が始まれば負けない気持ちでやっていきたい。万全で出るというのが一つの務め。一生懸命、頑張ります」と自分を見つめながら、復活劇を秋場所の土俵で示すつもりだ。