三役陣でただ一人、全勝の横綱照ノ富士(29=伊勢ケ浜)を1差で追っていた関脇御嶽海(28=出羽海)が、小結逸ノ城(28=湊)にアッサリ寄り切られ2敗目。場所の折り返しを前に、1敗は平幕の妙義龍(34=境川)という寂しい状況になった。

前日は完璧な電車道の押し相撲で快勝していただけに、御嶽海に対する期待は高かった。それだけに、報道陣の電話取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)も「気持ちがこもっていなかった。精神的に甘いところがあるから、こういう相撲になる。15日間、気持ちをこめて、いい立ち合いをするには場所前の稽古で、ちゃんとやらないと難しい。普段の稽古が、こういうところでモノをいう」と残念そうなコメントを並べた。「昨日がいい相撲で、あれを見ると期待するけど、15日間は持たないね」と期待は大きいだけに、もろさを見せたときの反動も大きい。妙義龍については「前みつを取っていい相撲だったけど15日間、気力や体力がもつかどうか」と過大な期待はかけられないとし、だからこそ「御嶽海あたりに期待はしていた」。新横綱の独走を許さないためにも「優勝した頃の気持ちを思い出してやってほしい」と奮起を求めた。