全勝の横綱照ノ富士をピタリと1差で追う、大関貴景勝(25=常盤山)と西前頭15枚目の阿炎(27=錣山)の注目の一番は、会心の相撲を見せた阿炎が、大関を押し出しで破り、1敗をキープ。14日目は横綱照ノ富士(29=伊勢ケ浜)との一番が組まれた。

立ち合いの当たりで押し込み、貴景勝を終始、劣勢に立たせた。後退した貴景勝が、回り込みながら左からいなしたが、足の運びを止めない阿炎が終始、大関と正対する相撲となり、重い大関を押し出した。

日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、まずは負けた貴景勝について「もっと押し込んでの、いなしなら違う(展開になっていた)だろうけどね。もう少し押し込みたかった」と心中を察するように話した。

続けて快進撃を続ける阿炎については、連日の言葉を繰り返すように「押し勝つんだという気持ちで、引こうとは思わなかっただろう」と切り出した。速射砲の突っ張りからの押しについては「手だけでなく、アゴを引いて頭を下げているから、体重が乗って(突きが)効く。立ち合いも、どちらが押し込むかのところで阿炎の方が強かった」と立ち合いから阿炎ペースで進んだことを分析した。

14日目の照ノ富士戦については「今日みたいな気持ち(で臨むこと)が大事。思い切って行けるでしょう」と好一番を期待した。