12月21日は回文の日。上から読んでも下から読んでも同じ文を「回文」という。1221が回文のようになっていることから、12月21日が記念日に制定された。

相撲界には回文の名作がある。

肉の多い大乃国(にくのおおいおおのくに)

元横綱大乃国の芝田山親方(59)に、この回文について聞いた。初めて耳にしたのはいつのことか覚えていないが、当初は「皮肉られているな」と感じたという。最初は回文であることを気付かなかったが、のちに自らネタにしてテレビ番組で披露したこともある。最初は受け入れにくかった回文だが、今は違う。「今は気にしない。そんな小さいことは別に気にならない。もっとおおらかになりましたからね」と穏やかに語った。

62代横綱大乃国は、実際に肉が多かった。体重200キロを超えた横綱は史上初(当時)。突き出た腹も武器の1つで、千代の富士の連勝を「53」で止めた1988年(昭63)九州場所千秋楽の一番はあまりに有名だ。この取組は、昭和最後の一番でもあった。

芝田山親方は現在、日本相撲協会の理事として広報部長、総合企画部長などを務めている。

実は数年前、ツイッターで突然「#相撲回文」というハッシュタグがはやり、多くの相撲回文がつぶやかれた。12月21日を機に、新たな作品を考えてみた。

いい若元春 ハトもかわいい(いいわかもとはるはともかわいい)

行けんべ! さあ! 朝弁慶(いけんべさああさべんけい)

ん? 止め名をナメとん?(んとめなをなめとん)

傘、また不知火ぬらした。まさか(かさまたしらぬいぬらしたまさか)

sim気質パンダは、断髪式無視(しむきしつぱんだはだんぱつしきむし)

どれも苦しい。名作の横綱、横綱の名作にはやはりかなわない。【佐々木一郎】