103年ぶりの偉業に挑む横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)が、小結明生に敗れて痛い2敗目を喫した。

明生の左かち上げに起こされた立ち合い。何とか左でさがりをつかみ猛進したが、頭を下げすぎて目的を失ったためか、土俵際で明生にあっさりと回り込まれた。肩透かしで敗れて10勝2敗。トップを並走していた関脇御嶽海が2敗目を喫し、勝てば単独トップに浮上する一番だっただけに悔しい黒星となった。

土俵下に落下すると、左膝に手を置きながらしばらく立ち上がれない場面もあった。両膝に古傷を抱えているだけに状態が心配されたが、ゆっくり立ち上がると、気にするような素振りを見せることなく、土俵上に戻った。

取組後のリモート取材には応じず、国技館を引き揚げた。1919年の栃木山以来、103年ぶりとなる新横綱から3場所連続優勝が懸かる今場所。重圧の掛かる残り3日間を乗り切れるか。