良きライバル関係を続けながら、追いつき追い越せの姿勢で番付アップを狙う-。

大相撲夏場所(8日初日、東京・両国国技館)まで1週間となった1日、小結豊昇龍(22=立浪)が報道陣の電話取材に応じ、近況や夏場所に臨む胸中などを明かした。

この日は稽古休み。部屋の明生(26)、十両天空海(31)といった関取衆や若い衆とは、多いときで70番ほど相撲を取るという。

新三役の春場所は苦しい土俵が続きながら、何とか千秋楽で勝ち越し小結の座をキープした。夏場所の目標は「三役2場所目だし、とりあえずまずはケガせずに勝ち越し目指して頑張りたい。もし勝ち越せば次の目標が見えてくる」。そう言いながら関脇、大関といった具体的な番付の目標には言及を避けた。

そんな豊昇龍だが、先場所優勝した関脇若隆景(27=荒汐)との“秘話”については包み隠さず話した。「やっぱりすごいなと思った。同じ支度部屋だったんで話をしていて『優勝しなきゃ、ぶっ飛ばすぞ』って言ってた」と、5歳年上の“先輩関取”にカツを入れていたという。もちろん「応援」という後押しをする意味のカツで、部屋は違うが荒汐部屋の合宿に、豊昇龍が自主参加するなど、かねて交流があった。

稽古でも三番稽古を繰り返すなど、意識する存在だ。応援した春場所だが、いざ本当に若隆景が優勝すると「なんで(かつて本場所で)俺が一本背負いした相手が優勝したんだ、と悔しかったこともあった」と負けず嫌いの本音ものぞかせた。

もちろん「今の幕内の中でいちばん、おっつけが強い力士」と、その強さも認める。そんなライバルと切磋琢磨(せっさたくま)しながら、1つ上で若隆景が座る関脇、看板力士ともいえる大関、そして伯父が成し遂げた横綱昇進への道を着実に歩んでいく。