優勝争いで西前頭4枚目の隆の勝(28=常盤山)が単独トップを守った。

1差で追う、番付で11枚下の一山本(28=放駒)のもろ手からの突きをしのぐと、引くところを一気呵成(かせい)に出て猛進。押し出しで完勝し2ケタ10勝目を挙げた。

番付上位との戦いが続いた後の、平幕下位との一番にも、やりにくさは感じさせなかった。この平常心を貫いた一番に、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「いつも通り、という感じだったね。最初の(一山本の)いなしというか、はたきをよく残して(その後)足がついて行った。硬さはまだないようだね」とテレビ画面越しに映る隆の勝の心中を察した。

ここまでの隆の勝については「この数場所、自分の相撲を取り切れていなかった。そういう意味では、いいところが出た。気持ちが違うんじゃないかな」と好調の要因を分析した。初優勝がかかる残り3日の土俵については「馬力があるのが強みで、その自分の持ち味を出すこと。(優勝を意識するのは)明日(13日目)ぐらいからじゃないかな」と推しはかっていた。