西前頭15枚目の王鵬(22=大嶽)が8勝目を挙げ、幕内3場所目で初の勝ち越しを決めた。対戦した東前12枚目の照強(27=伊勢ケ浜)は連日相手の足を取る攻めを展開する中で、想定通りの対応を見せた。

上手出し投げで仕留め「足を取りに来てくれたほうが考えることが少なくて済むのでやりやすいかなと思った。落ち着いて相撲が取れました」と初の勝ち越しを決めて喜んだ。

今年1月の初場所で新入幕を果たしたが、7勝8敗とはね返された。十両に落ちた3月の春場所で10勝5敗と勝ち越し。次の夏場所で返り入幕したが、6勝9敗と再び負け越した。

幕内の壁を超えるため、夏場所後には約2年3カ月ぶりに解禁された出稽古を生かした。琴ノ若をはじめ幕内3人が在籍する佐渡ヶ嶽部屋で稽古を重ねた。これが転機となった。幕内3場所目での勝ち越しの要因について「佐渡ヶ嶽部屋でしっかり出稽古ができて、しっかり稽古ができた」と自信いっぱいに答えた。

祖父は元横綱大鵬、父は元関脇貴闘力を持つサラブレッド。目の肥えた相撲ファンからも注目を集められる存在だが、気負うことはない。「それが理由で応援されることもあるのでありがたいことです」と歓迎する。

残り2番とも勝てば白星が2桁に乗る。大きな自信をつかんだ今場所。日頃支えてくれるファンや関係者のためにも、目に見える結果を残したい。「一番ずつ勝って、しっかり良い相撲を取れるよう頑張ります」と意気込みを見せた。

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