大相撲の元小結千代鳳の佐ノ山親方(29)の断髪式が5日、東京・両国国技館で開かれた。九重部屋の関取衆や同部屋の関係者、当日の一般参加者約20人を含む、約300人がはさみを入れた。

師匠の九重親方(元大関千代大海)が止めばさみを入れ、まげと別れを告げた佐ノ山親方は「じーんときました。これでちょんまげとさらばだなと。自分にお疲れさまという気持ちでした」と振り返った。

本来の断髪式は招待された関係者がはさみを入れるが、自身の希望により、誰でも当日参加可能という異例の形式をとった。結果、当日に一般参加した約20人もはさみを入れた。「面識もない方に『いつも応援してました』とか『現役の時は楽しませてくれてありがとう』と声を掛けてもらった。知らない所でたくさんの方が応援してくれてうれしかったです」としみじみと話した。

今後は九重部屋の部屋付き親方として後進の指導にあたる。思い出されるのは入門時にスカウトしてくれた、先代の故九重親方(元横綱千代の富士)の言葉だ。「諦めなければ夢はかなう、と、ぶちかましたら横綱にも勝てる。それが心に残っている。そのことを伝えていきたい」と語った。