序二段は十両経験者で西60枚目の朝志雄(28=高砂)が7戦全勝で優勝した。

日大相撲部出身で東14枚目大谷(22=宮城野)との全勝対決。激しい突き合いから、押し込んだ朝志雄が最後にはたき込んだ。「久しぶりに場所に出て、7番けがなく取り切れたことにホッとした。(優勝は)うれしい気持ちです」と復活した思いをかみしめた。

「(右)膝の靱帯(じんたい)が断裂していたのは分かっていた」という今年初場所。強行出場ながら、東幕下20枚目で5勝2敗と勝ち越した。しかし「膝が外れているような感覚があってしんどかった。師匠(高砂親方)と相談して手術することを決めました」。

2月14日に右膝を手術した。以後、4場所連続の休場。リハビリに努め、まわしを着けた稽古も5月の夏場所後からようやくだった。「場所前に三段目(力士)と稽古できるようになって(今場所の)出場を決めたが(状態は)まだ半分程度」という。

東洋大で全国学生選手権3位などの実績から17年春場所、三段目100枚目格付け出しデビュー。長期休場は今回が2度目。けがに泣かされながら負けずに再びはい上がる決意を固め、第1歩を記した。

「番付を戻すにはまだまだ課題はたくさんある。気負わずあせらず。自分の相撲をとりきった先に結果はついてくると思っている。十両がゴールではなく、まだその上もある」。苦しみを乗り越えてきた強さが、言葉にあふれていた。