綱とりに挑む大関貴景勝(26=常盤山)に暗雲がたれこめた。過去の対戦成績で3勝5敗と負け越している平幕の阿炎のはたき込みに屈し、横綱昇進を目指す上で手痛い2敗目。左膝に前日にはなかったテーピングが巻かれた中で、阿炎の強気な攻めについていけなかった。ご当地場所で期待するファンからは大きなため息が漏れた。初日から引き続きリモート取材には姿を見せなかった。

幕内後半戦の佐渡ケ嶽審判長(元関脇琴ノ若)は「ちょっと(脚を)かばっているような感じでしたね。本来の貴景勝の足腰だったら残せている」と話した。年6場所制が定着した1958年(昭33)以降で横綱昇進したのは29人。綱とり場所で4日目終了時点で2敗を許した力士はいない。

横綱昇進には「2場所連続優勝もしくは、それに準ずる成績」という横綱審議委員会の内規があり、2場所連続優勝なら場所後の横綱昇進は濃厚。大栄翔らトップ5人を2差で追う展開。今後激しくなる優勝争いに加わるためにも、もう負けられない。左脚の状態が不安視される中で、5日目に竜電と対戦する。【平山連】