日本相撲協会は春場所9日目の20日、東前頭4枚目の阿武咲(26=阿武松)が休場すると発表した。阿武咲は「両側内側半月板損傷、右陳旧性後十字靱帯(じんたい)損傷で今後約2カ月間、精査・加療を必要となる見込み」との診断書を提出。診断書には「18日(7日目)受傷、19日(8日目)悪化、20日受診」とも付け加えられていた。

阿武咲は8日目まで4勝4敗。先場所は終盤まで優勝を争い10勝5敗で、今場所も活躍が期待されていた。7日目の関脇若隆景戦に敗れた際に膝を痛めたそぶりを見せていた。

休場発表後に取材に応じた師匠の阿武松親方(元前頭大道)によると、右膝の後十字靱帯(じんたい)は古傷で、左右の膝の半月板を痛めたことが、今回の休場の主な理由だという。同親方は「元から痛めていたところを悪化させた感じ。特に痛めているのが右膝。今、痛くて、今日(9日目)の相撲は無理だが、本人は再出場したいと言っている。様子を見て」と、今後の回復次第では再出場の可能性もあるという。前日8日目の取組後、本人から休場の申し入れがあった。

阿武咲の休場は、昨年夏場所以来で5度目となった。9日目の対戦相手、北勝富士は不戦勝。今場所の十両以上の休場者は横綱照ノ富士、大関貴景勝に続いて3人目となった。