優勝争いのダークホースに一躍浮上した東前頭11枚目の北青鵬（21＝宮城野）が、初の三役戦で関脇若元春（29＝荒汐）と対戦。若元春が役力士の意地で、最後は寄り立てる北青鵬を豪快にうっちゃって勝ち越しを決めた。北青鵬は3敗に後退した。
若元春が得意の左四つで胸を合わせながら、北青鵬も右上手を引きつけてガップリ四つの体勢に。1分以上が過ぎ、若元春ががぶるように寄ると、北青鵬が右上手から振って体勢を入れ替えた。一呼吸置いて北青鵬が体を浴びせるように寄るところを、その巨体を自らの腹に乗せながら若元春が逆転のうっちゃりを見事に決めた。
報道陣のリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長（元横綱北勝海）は、勝負が決まると「力強いね、若元春は」と、豪快に勝負を決めた新関脇のパワーに驚くような口調で第一声を口にした。続けて「北青鵬は腰が高いから出来るかなと（思った）。見事だ」と役力士の面目を保った若元春を褒めた。
連日、豪快な取り口で館内を沸かせている新進気鋭の北青鵬についても言及。「北青鵬も、こんな負け方は初めてだろう。（今後の課題として）ちゃんと腰を下ろして行けばね。立ち合いも甘いと相手十分になるから、やはり突っ張りが必要かな」と指摘した。一方で「それでも、この相撲が取れる。本人は三役（相手）でも何とかなる、と自信がついたのではないか」と心情を読み解いていた。
