関脇で大関昇進を確実にした霧馬山(27=陸奥)がモンゴル出身として6人目の大関昇進を目前にした。3回連載「“新大関”霧馬山の心・技・体」で素顔に迫る。

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1947(昭22)年11月場所から実施された三賞のうち、3場所連続以上技能賞を獲得したのは過去にわずか9人。2012年夏~秋場所にかけて獲得した妙義龍が最後だったが、今回の夏場所で11勝を挙げて大関とりに成功した霧馬山(27=陸奥)が10人目として名を刻んだ。直近3場所計34勝をみると、「寄り切り」や「押し出し」などの基本技は12、投げ手8、ひねり手5、「送り出し」や「はたき込み」などの特殊技5、掛け手2、不戦2だった。

四つ相撲を得意とするが、型にこだわらない多彩な取り口が目立つ。師匠の陸奥親方(元大関霧島)から助言を受けて、「稽古場の時から何でもやる」姿勢になった。最近では押す力に磨きをかけようと、部屋では若い衆3人を縦一列に並べて、立ち合いの当たりを繰り返している。他の部屋の力士たちから当初は「ギャグでしょ?」といぶかしがられる異例のメニューを難なくこなし、今では余りの圧力に受け止める若い衆が「意識が飛んじゃう」「1人や2人では足が残せない」と音を上げるほどだ。

兄弟子で部屋付き親方の元横綱鶴竜親方は、弟弟子の良さに「何でも聞き入れる素直さ」を挙げた。強くなるために、食事でも、筋トレでも何でもやってみる。その一途さが今の霧馬山を作る礎になっている。【平山連】

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