日本相撲協会は28日、大相撲秋場所(9月10日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。平幕以下の関取衆の番付をみてみよう。

注目は大関経験者で、一昨年の九州場所以来の幕内復帰を果たした先々場所、東前頭14枚目で12勝3敗の優勝次点の成績を収め、先場所は途中休場しながら再出場し、8勝4敗3休で勝ち越した朝乃山(29=高砂)の番付。東前頭4枚目から2枚アップで、西前頭2枚目に上がった。上位総当たりとなる位置にいて、約2年ぶりの返り三役を射程圏内にとらえた。

その他では先場所、12勝3敗で並んだ優勝決定戦で豊昇龍に敗れた北勝富士(31=八角)が、8枚の番付アップを果たし東前頭筆頭に。こちらも20年春場所以来の三役復帰に手が届く位置につけた。その北勝富士に並ぶ関取衆で上げ幅2番目となる8枚の番付アップを果たしたのが、入幕2場所目の豪ノ山(25=武隈)だ。新入幕の先場所は東前頭13枚目で10勝5敗で敢闘賞を受賞。今場所は東前頭5枚目につけた。

やはり8枚アップを果たしたのは、新入幕の先場所、千秋楽まで優勝争いを演じた伯桜鵬(20=宮城野)で、幕尻の西前頭17枚目から同8枚目に番付を上げた。なお、関取衆で最多9枚の番付アップを果たしたのは、入幕2場所目の湘南乃海(25、西前頭14枚目→同5枚目)と竜電(32、東前頭15枚目→西前頭6枚目)の高田川部屋コンビだ。

逆に、膝に重傷を負い大関候補から一転、2場所連続全休の若隆景(28=荒汐)は西前頭12枚目から東十両7枚目と、番付を最多12枚落とした。再入幕は2人で、熱海富士(20=伊勢ケ浜)は5場所ぶり、輝(29=高田川)は1場所での復帰を果たした。

既に発表されている十両昇進は5人。1場所での関取復帰を決めた時疾風(27=時津風)を除く4人が、念願の関取の座を初めて手にした。

西十両12枚目の高橋(24=二所ノ関)は、福島県出身では19年春場所の若元春以来、戦後13人目の新十両で、初土俵から所要8場所での昇進は7位タイのスピード昇進となった(1位は高鉄山、土佐豊、常幸龍、炎鵬の6場所で5位タイは旭富士、宇良)。

西十両13枚目の石崎改め朝紅龍(24=高砂)は、高砂部屋からは21年九州場所の朝乃若以来の新十両で、大阪府出身では先場所の勇磨以来、戦後43人目の関取誕生となった。

東十両14枚目の大の里(23=二所ノ関)は、石川県出身では18年春場所の炎鵬以来、戦後20人目の関取誕生。今年夏場所で、幕下10枚目格付け出しが初土俵だったが、所要2場所での新十両は昭和以降、2位タイのスピード昇進となった(1位は落合→現伯桜鵬の1場所)。

西十両14枚目の向中野改め天照鵬(20=宮城野)は、宮城野部屋からは先場所の輝鵬に続く新十両で、三重県出身では21年秋場所の朝志雄以来、戦後14人目の関取輩出となった。

なお、高橋と大の里は、現師匠(元横綱稀勢の里)が二所ノ関部屋を創設して以降では初の新十両。同一部屋から複数力士の新十両誕生は、12年秋場所の阿武松部屋(慶天海と丹蔵)以来となった。

また、高橋と朝紅龍と大の里は、いずれも日体大出身。同大からは、昨年名古屋場所の欧勝馬(鳴戸)以来、12~14人目の新十両。同じ場所で同一大学から新十両3人が誕生するのは初めてとなった。

大相撲秋場所は、9月8日の取組編成会議で初日と2日目の対戦相手が決定。10日の初日を迎える。