お笑いコンビ、カラテカでツッコミを担当していたが、闇営業の仲介をしていたとして、19年6月に所属していた吉本興業から契約解除された入江慎也さん(46)が3日、東京・両国国技館で行われた大相撲の元前頭大喜鵬の断髪式に出席した。

約230人の参列者に交じり、はさみを入れて、12年の入門から10年以上の親交がある元大喜鵬の労をねぎらった。その後は大喜鵬の師匠で、約15年親交のある宮城野親方(元横綱白鵬)らと談笑する場面も見られた。

入江さんは式の途中、手にしていたちゃんこのはしを止め、取材に応じた。現在はハウスクリーニングを中心とした清掃業の「株式会社ピカピカ」で代表取締役社長を務めている。「北は青森県から、南は鹿児島県まで、都内の1店舗を含めて全国に21店舗を構えています」という。「年商は約5000万円」。順調に業績を伸ばしているが「自分が使えるお金は、芸人の時の方が多いです。芸人は夢がありますよ」と、謙遜していた。

「(大喜鵬の本名)山口くんとは昔から、いろいろと食事も行きましたし、飲みにも行きました。彼が19年に引退して、自分も19年に吉本興業を契約解除された。お互いにセカンドキャリアを歩んでいるので、やっぱり頑張ってほしい気持ちは強いです」と、駆けつけた理由を語った。宮城野部屋の移転の際には、入江さんの会社がハウスクリーニングなどで携わったという。この日の式には、祝いの花も贈った。

くしくもこの日、今後も宮城野部屋でコーチを務めながら、自営業も営む元大喜鵬は「部屋に子どもを預ける親御さんからしたら、力士を辞めた後の将来、次の仕事もしっかりとあるような部屋がいいと思う。清掃業とか」と、ピンポイントで清掃業を例に出し、力士のセカンドキャリア支援に、入江さんの会社とタッグを組む可能性をほのめかした。入江さんは「今、会社には元芸人も、元力士もいません」と説明。ただ、急成長を続ける会社だけに、力自慢の元力士は即戦力ともいえる。今後、急接近する可能性も十分だ。

この日、あいうえお順の断髪者一覧では「カラテカ入江慎也」として、「い」の位置ではなく「か」の位置に名前が記された。「相方(矢部太郎)がカラテカとしてやっていて、まだ解散していないので、自分もカラテカとして出席しました」と説明した。「(放送作家の)鈴木おさむさんが、あいさつでおっしゃっていましたが、夢をあきらめるのも才能。山口くんも僕も、新しい夢を見つけて頑張っていけたら」と、胸を張って話していた。