関脇琴ノ若(26=佐渡ケ嶽)の大関昇進伝達式が31日、千葉・松戸市の佐渡ケ嶽部屋で行われた。同じ二所ノ関一門の花籠親方(元関脇太寿山)と鳴戸親方(元大関琴欧洲)が日本相撲協会の使者として派遣された。新たな大関誕生に立ち会った2人も喜んだ。

昇進目安とされる「直近3場所33勝」に当たって琴ノ若は秋場所9勝、九州場所11勝、初場所13勝で達成した。

この点について、花籠親方は「最初が9勝ということで心配だったけど、(初場所で)13勝して良かった」とふり返った。看板力士として日頃の稽古や巡業でも他の力士たちの鑑(かがみ)になってほしいと今後の期待を寄せ、「上を目指す大関になってほしい」と願った。

現役時代は佐渡ケ嶽部屋の兄弟子だった鳴戸親方は、幼い頃から知っている琴ノ若の昇進に「立派じゃないですか」と目を細めた。

これで自身の最高位と並んだが、驚いたのは昇進で満足せず、すぐさま「上を目指す」と口にしていた琴ノ若の姿だ。「自分は上がったばかりで、そこまで考えられなかった」と目を見張るも、その先を目指すには課題があると分析。初場所の本割、決定戦で戦った横綱照ノ富士とは力でも技術でもまだまだ差があるとし、「力をつければ、上が見えてくる」とさらなる奮起を促した。