西幕下2枚目の阿武剋(23=阿武松)が、勝ち越しを決め、来場所の新十両昇進に前進した。取組前まで同じ1敗だった、西幕下5枚目の生田目を寄り切り。4勝1敗とした。

日体大では学生横綱に輝き、昨年九州場所で幕下15枚目格付け出しで初土俵を踏んで3場所目。十両から陥落する力士が多ければ、現在の4勝でも新十両昇進の可能性がある。だが「あと2番残っている。ここをしっかりと勝ち取っていけば、いい結果になると思う」と力説。他力本願ではなく、さらに星を伸ばして、自力で昇進をつかみ取るつもりだ。

まげが結えないざんばら髪で、中学時代は出身のモンゴル・ウブス県で、数学オリンピック優勝という異色の経歴を持つ。流ちょうな日本語と、知的な語り口調とは裏腹に「この一番、絶対に勝つぞと思って土俵に立った」と、内心は燃えていたと明かした。

今場所は「思い描いた通りの相撲は取れていない。何となく、まわしに手がかかって勝てていた」と、本調子ではないという。それでも星を伸ばしたのは実力の証明。「勝ち越しは素直にうれしい。あつ2番、自分の相撲を取りきりたい」と、内容にもこだわりつつ結果も求めていくつもりだ。