5月夏場所で所要7場所の史上最速優勝を果たした新関脇の大の里(24=二所ノ関)が、東前頭2枚目の若元春に敗れ、2連敗と出遅れた。成績次第で場所後に大関昇進の可能性もある緊張感の中、初日は御嶽海に完敗。嫌な流れになった中で、2日目も今場所初白星を挙げることはできなかった。
初日の取組後は「ダメでした。修正して頑張りたい」と、口調こそハキハキとしていたが、時折、うつろな目で報道陣に対応し、少なからずショックがあることをのぞかせていた。部屋に戻ると、師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)に「あれが本当の上位戦だ」と、声を懸けられた。先場所は上位総当たりとはいえ、初顔合わせの相手も多く、右を差す得意の形に持ち込む流れが多かった。だが、出世の早さに髪の伸びが追いつかず、まだ大銀杏(おおいちょう)を結えない、ちょんまげ力士に優勝をさらわれ、上位陣が今場所は対策を練ってきていると、師匠の言葉であらためて強く感じた。
事実、御嶽海にはガッチリと左を固められ、大の里は右を差せる気配がないまま、下から突き起こされ、なすすべなく敗れた。この日、二所ノ関親方は「今までは素直に相撲を取らせてもらえていたけど、逆によかったかもしれない」と話した。将来に向けての良い勉強、さらには上位陣が本気で対策してきていることを痛感する意味で、良薬になったとみているようだった。さらに同親方は「もう、御嶽海ぐらいクレバーな力士もいない」と続けた。相手の良さを封じることにかけては、右に出る者がいない御嶽海と、初顔合わせで初日に対戦。“完敗するとすれば、このパターン”という事象が重なっただけ-。そう思っていた中での連敗とあって、師弟にとって想定外の流れとなってきた。
大関昇進ムードは、連敗発進で小休止の格好となった。ムードを再燃させるには、3日目からの巻き返しは必至だ。初日の取組後、大の里は「集中して頑張る」と力説していた。3日目は難敵の小結大栄翔戦。今場所を、そして大関昇進を占う試練が早くも訪れようとしている。

