「目標は高く。やるからには剣道の金メダルを目指そう。でも、もっと大事なことは、人として金メダルをもらえるかどうかです」。茨城県茨城町を拠点に活動する、いばらき少年剣友会の館長・雨谷益水氏(66)は、創建時の精神を熱く語る。現在、いばらき幼稚園(同敷地内)の理事長でもある同氏は、大学卒業後に実家が経営する幼稚園を継ぎ、剣道を教え始めた。「剣道を愛し、剣道を通して心豊かな立派な社会人に育てたい」。1980年(昭55)4月、今から40年前のことだった。

しかし、当初は幼稚園のホールの床を張り替えただけの簡易道場だったため、窓ガラスが割れたり壁が抜けたりと、苦労の連続だったという。それから5年、現在の地に45坪の専用道場が完成。以来、指導者・保護者・子供が三位一体となり全国規模の大会で優勝14回、準優勝6回など輝かしい成績を残した。1992年にはセビリア万博に日本代表として招かれ、かの地で実技を披露したという。

「現在は小学生65人のほか計約100人が感染対策をしたうえで汗を流しています。特に小学生は練習日を月~金で設定しており、自主参加ではありますが、55人は毎日熱心に通ってきます」(同館長)。

OBになっても帰ってきたくなる場所。そんな道場を目指している。

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