◇3月25日~4月1日◇大阪シティ信用金庫スタジアムほか
取手が2年ぶり3度目の頂点に立った。決勝戦は188㌢のエース朝来友翔(3年)が3安打完封した。準優勝の東練馬は好投手を次々破ったが、2年前の決勝に続き、取手の前に涙をのんだ。準決勝に中本牧、横浜青葉が進出して、11年ぶりに4強を関東連盟勢が独占した。
【188センチエース朝来完封「全国だから気持ち作れた】
取手の朝来が188㌢から真っ向投げおろした。14歳の平均身長は165・7㌢(令和3年度学校保健統計調査)。中学生が見たこともない角度から次々ストライクゾーンに投げ込んだ。「制球に不安あり」のデータを無視するように無四球で被安打3、85球で人生初の完封勝利を飾ると「全国だから気持ちが作れたのかもしれません」と喜んだ。
インパクトは赤津翔馬(3年)も負けてない。身長154㌢の左腕はサイドから切れのいい速球を投げ込む。朝来と正反対の浮き上がる球筋で、石崎学監督は「秘密兵器」として関西王者の橿原磯城戦と準決勝の先発で投入した。
投手の起用に身長は「関係ないです」と言い切る。新3年生だけで46人の大所帯から、光る個性を選びだす。打線にも昨年からレギュラー捕手の荒井優聖主将(3年)や石田翔大三塁手(3年)ら完全なレギュラーは数人しかいない。試合によって、選手の調子と「役割」を見極めて、日替わりオーダーを組む。決勝で貴重な3点二塁打を放った藤川倖生(3年)は背番号15。2ケタの番号が、いい仕事をやってのける。
表彰式を終えると、スタンドの3年生を呼び寄せた。記念写真は46人で撮影した。いつも全国大会は3年生全員で遠征する。「みんなで取った優勝だぞ ! 」。部員が多いから強いわけじゃなく、多い部員を余すことなく戦力にするから強い。大会後、新1年生が57人入部した。3学年で152人になる。
▽決勝
取手5―0東練馬
【取】朝来―荒井【東】竹内、藤﨑―荒川 [二] 藤川(取)
【東練馬 準V 齋藤主将「力負け」】
東練馬は悔しかった。一昨年の春、夏も決勝で敗れ、意外にも日本一と縁がない。今大会は1回戦から準決勝まで5試合で46得点。1番芦田大地(3年)、4番古畑雄大(3年)らを中心に静岡裾野・伊藤漣(3年)、中本牧・若杉一惺(3年)ら好投手を攻略してきたが、取手・朝来の壁は崩せなかった。
的確な指示と攻守に全力プレーでチームを盛り上げ続けた齋藤塁主将(3年)は「完全に力負けです。3段階ぐらいレベルアップして、圧倒的な力をつけたい」と潔く振り返った。
エース竹内颯(3年)に続く岡田雄斗(3年)、藤﨑柊(3年)、新倉大輝(3年)の好投は、連戦の全国大会で大きな収穫だった。宮島一也監督は「彼らと一緒に日本一をとりたい」とナインをみつめた。
【4強 横浜青葉河井盛り上げた 中本牧左腕トリオ好投】
横浜青葉 元気いっぱいのベンチを盛り上げたのが控え捕手の河井琥太郎(3年、写真)。甲高い声で、走者や守備陣に具体的注意点を繰り返し伝えた。守備から戻るナインの出迎えも先頭を切って、肩を抱きかかえる。「元気だけは誰にも負けません」。一丸野球を目指す植村直太朗主将(3年)も「すごく信頼しています」と頼もしい存在になっている。準決勝で取手に大敗して泣きじゃくったのも河井だった。「全国で勝ちたい。優勝したい」と声を絞り出した。
▽準決勝
横浜青葉1―10取手(5回コールド)
【横】岸、高橋一、家像―植村【取】赤津―荒井 [二] 山崎(横)
中本牧 若杉一惺(3年)、鈴木陽仁(2年)、小林鉄三郎(2年)の左腕トリオが好投を続け、12年ぶりに4強入りした。投手7人が全員左腕という類を見ない編成で、それぞれ刺激しながらレベルアップ。エース若杉は関西2位の紀州由良を90球で1安打完封。準決勝の東練馬戦の決勝点は投球中にスクイズの気配を察知して、ウエストしたボールが暴投になった。センスの高さが招いたミスだったが「サインプレーなど(スクイズを外す)練習をしたい」と課題もハイレベルだった。
▽準決勝
中本牧3―5東練馬
【中】若杉、小林―浅沼【東】岡田、新倉―荒川 [二] 荒川、芦田(東)
【和光】初出場で福山中央(広島)を9―2で破り初白星を挙げた。同点で迎えた4回表2死満塁、花牟禮雅久(3年)の放った二ゴロの送球がワンバウンドになり、ファウルゾーンを転々。一塁走者の植松隼人(3年)まで50㍍6秒3の快足を飛ばして3点を奪った。植松は「いつも先の塁を狙っています」。他にも全力疾走で相手守備のミスを誘うなどひたむきなプレーで、新たなチームの歴史を作った。
【川越・澤海宏斗】(3年=秋に大敗した静岡裾野と接戦で敗れ)「次に試合ができるなら、勝ちます」
【秦野・清野創志主将】(3年=3回戦で東練馬に大敗も反撃のタイムリーを放つ)「みんなで大阪まで来て、全国大会で試合ができて、自信もつきました」
【関東連盟勢の結果】
▼1回戦
川越(関東)6―5愛知衣浦(東海)
浜松南(関東)11―1新潟(信越)
東練馬(関東)15―2福井永平寺(東海)
大阪交野(関西)1―0八王子(関東)
酒田(東北)4―0横浜都筑(関東)
神戸中央(関西)5―3浦安(関東)
横浜青葉(関東)5―2生駒(関西)
小田原足柄(関東)4―0大分西南(九州)
水戸(関東)9―2札幌羊ケ丘(北海道)
瑞穂(関東)10―4泉佐野(関西)
▼2回戦
静岡裾野(関東)3―0川越
河南(関西)4―1浜松南
秦野(関東)10―1岡山(関西)
東練馬10―0大分東(九州)
和光(関東)9―2福山中央(関西)
中本牧(関東)2―0富山(東海)
世田谷西(関東)7―4盛岡北(東北)
佐倉(関東)6―4札幌大谷(北海道)
横浜青葉(関東)10―2小諸(信越)
橿原磯城(関西)7―3小田原足柄
取手(関東)3―1山口東(関西)
秋田北(東北)4―0水戸
瀬谷(関東)9―3瑞穂
▼3回戦
静岡裾野9―2河南
東練馬10―1秦野
大阪交野5―4和光
中本牧5―0紀州由良(関西)
神戸中央5―3世田谷西
横浜青葉1―0佐倉
取手5―2橿原磯城
秋田北2―0瀬谷
▼準々決勝
東練馬6―2静岡裾野
中本牧3―1大阪交野
横浜青葉7―6神戸中央
取手3―1秋田北

