[ 2014年6月15日21時20分 ]

 E組のフランスとホンジュラスが初戦で対戦する。

 ウクライナとの欧州予選プレーオフを劇的な逆転勝利で飾ったフランスは、5大会連続14度目の本大会出場を決めた。チーム内の内紛によるボイコット騒動の末、未勝利に終わった前回大会からの巻き返しを狙うチームは、闘将デシャン監督の下で4大会ぶりのW杯制覇を目指す。直近のテストマッチではパラグアイ戦こそドローで終えたものの、ノルウェー戦(4-0)、ジャマイカ戦(8-0)と2試合とも圧勝。良い形で本大会を迎える。

 一方、群雄割拠の北中米カリブ海最終予選で3位に入り、W杯出場を決めたホンジュラス。過去2大会、W杯で未勝利だが、今大会で待望の初勝利を目指す。本大会に向けたテストマッチでは、W杯不出場のトルコ、イスラエルに連敗したが、大会前最後の強化試合で強豪イングランドとスコアレスドロー。得点力に不安を残すものの、守備面で自信をつけてフランスとの初戦に臨む。

 ◆直前で離脱したエース不在の影響は!?

 W杯や国際親善試合を含め、初めての対戦となる両者。過去の実績や個々のタレントを見ても、フランスが圧倒的に優位な立場にいることは間違いない。だが、気になる点はW杯メンバーに招集されながら直前で離脱が決定した絶対的エースのMFリベリの不在。2002年日韓大会でエースのMFジダンを負傷で欠いたフランスは、その影響からか、初戦のセネガル戦を落とし、結局1次リーグで1勝もできずに敗退した経験がある。(ジダンは1次リーグ最終節のデンマーク戦に強行出場)

 したがって、今回も同じ轍を踏む可能性は十分にあるだろう。

 ◆フランス代表◆【4-3-3】

 予想スタメン

 GK:ロリス

 DF:ドビュシー、コシールニ、サコ、エブラ

 MF:ポグバ、カバイ、マチュイディ

 FW:バルブエナ、ジルー、ベンゼマ

 負傷者:なし

 出場停止者:なし

 主力に目立った負傷者はいない。変更の可能性があるとすれば、コシールニとジルーのポジションか。代役には、彼らと実力的にそん色のないバラン、グリーズマンが入る見込みだ。左ウイングでの起用が濃厚なグリーズマンが入る場合、ベンゼマが本来のCFのポジションに収まることになる。

 ◆ホンジュラス代表◆【4-4-2】

 予想スタメン

 GK:バジャダレス

 DF:ベッケレス、ベルナルデス、フィゲロア、イサギレ

 MF:エスピノサ、ガリド、W・パラシオス、M・チャベス

 FW:コストリー、ベンソン

 負傷者:なし

 出場停止者:なし

 ★注目選手

 ◆MFマチュー・バルブエナ(フランス)

 リベリ不在の攻撃陣の中で、けん引役として期待されるのがマルセイユ所属のバルブエナだ。デシャン体制下でレギュラーの座を確固たるものとしたバルブエナは、卓越したパスセンスと献身性に優れた攻撃的MFだ。これまでは「4-2-3-1」のトップ下での起用が多かったが、チームが「4-3-3」に変更して以降は、右ウイングとして攻撃のタクトを握る。リベリ不在によってチームの攻撃陣は、ジルーやマチュイディなど“使われるタイプ”の選手が増えている。そのため、守備的な戦術を採用するホンジュラス相手の一戦では、そういった選手を操るバルブエナの攻撃センスが、重要となるはずだ。

 ◆DFマイノル・フィゲロア(ホンジュラス)

 強豪フランス戦でW杯初勝利を狙うホンジュラスのキーマンは、ディフェンスリーダーであるフィゲロアだ。世界的に無名な選手が多いホンジュラスの中で、プレミアリーグでプレーする同選手の経験は心強い。代表ではセンターバックとしてプレーする同選手だが、左サイドバックでもプレー可能なアジリティを誇る。スピーディーな縦への攻撃を得意とするフランスの強力攻撃陣に対して、彼のスピードとプレミア仕込みのタイトなチェックがどこまで通用するかで、試合の行方が決まるだろう。【超ワールドサッカー】